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「病気に勝つコツ」
− 告知のタイミング − 講師 伊丹仁朗 医師


伊丹仁朗氏は「生きがい療法」を提唱する岡山県倉敷市・柴田病院の医師です。
ガン患者さんを引率してロッキー登山をしたり、入院患者さんと大阪花月に落語を聞きに行くなど医者の役目と笑いの効用、弊社で推奨している天皇山の水などを実践の場に取り上げて「癒しの医学」を実施しています。






仕事や家族の将来のことも考え、本人にガンと知らせたいと思った時、そのタイミングや知らせ方はどうすべきでしょうか?

 日本では一般に、ガンと知ると精神的ショックが大きいから、絶対知らせるべきではないと思っている方も多いと思います。
 しかし、近年医療情報の普及によって、誰でも簡単に自分がガンとわかる時代になっているといえます。
 すでに、自分がガンであることを知っている人々は日本でも非常にたくさんおられますが、ほとんどの人がそのショックを乗り越え、立ち直っています。
 人間は様々な人生の困難を乗り越える力を持っていますが、ガンについても同じと思われます。
 もちろん、最初、病名を周囲の人々がどのように説明して知らせるかについては、それなりの工夫が必要でしょう。
 知らせる時期としては、できるだけ早い方がよいでしょう。ご本人が病名を認知して、それを乗り越えていける体力や気力が、まだ十分あるときの方がベターです。
 
 タイミング
としては、例えば手術を受けた後、体力が回復してきた頃とか、化学療法や放射線療法など副作用のある治療法を開始する直前などでもよいでしょう。
 
 知らせ方
については、少し時間をかけてごく自然に自分の力で知っていくという、いわゆる「病名認知」のプロセスを援助していくのがよいのではないかと思います。

 
 
そのためにはガンという病名は直接言わないにしても、明らかに事実と反するウソは言わない。場合によっては死に直面するかも知れない重大な病気である、という認識をもってもらいます。そして、症状経過に関して本人から質問があれば、大体のことは知らせる必要があるでしょう。
 それと並行して、前向きに病気と闘うコツも覚えてもらうようにするのがよいでしょう。
人によって違いますが、一ヶ月から三ヶ月くらいの一定の時間をかけて、徐々に認識してもらうのがよいでしょう。
 例えば、ある直腸ガン肺転移の方は、最初は病名を知りませんでしたが、途中から家族と主治医が相談の上、ここに述べたような方法で病名を知ってもらいました。
その後も本人は会社の仕事も続け、奥さん、子供さんと心を合わせて闘病に取り組んでおられます。本人も「ガンと知ってよかった。おかげで本当に充実した生き方ができた」と言われています。大切なのは、ご本人、家族、周囲の人々が心と力を合わせて、この困難を乗り越えていくことだと思います。そのことが、ガンと知っていても不安に圧倒されず、前向きに対応していく大きな力となっていくでしょう。


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