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「ガン」術後の日常生活の心得
講師 伊丹仁朗 医師 |

伊丹仁朗氏は「生きがい療法」を提唱する岡山県倉敷市・柴田病院の医師です。
ガン患者さんを引率してロッキー登山をしたり、入院患者さんと大阪花月に落語を聞きに行くなど医者の役目と笑いの効用、弊社で推奨している天皇山の水などを実践の場に取り上げて「癒しの医学」を実施しています。
「これから、日常生活を送る上でどのようなことに気をつければ良いでしょうか?」
ガンの手術を受けて退院した方よりこういった質問を受けます。
ガンの治療は、手術によって終わったわけではありません。むしろ、手術はガン治療の出発点といえるでしょう。
なぜなら、ごく初期の場合は別として、多くのガンは、手術後もごく小さなガンが近くのリンパ腺や肝臓、肺などの離れた臓器に転移していることがあります。それらが、2年、3年と経過するうちに、次第に大きくなり「再発」という形で現われるのです。
したがって、手術後5年間(乳ガンの場合は10年間)は、十分に注意し、また治療する必要があるというのはこのためです。
日常生活も健康状態をよくし、ガンと闘う力を養う必要があります。
例えば、睡眠の取り方にしても、遅くとも11時には就寝し、翌朝6時まではゆっくりと休むことが大切です。
というのは、この時間帯はガンと闘う免疫力が低下しているからです。また、タバコはガンの再発率を高くすることが明らかになっていますので、ぜひ禁煙する必要があります。
適度な運動は免疫力を高めますので、体調の無理にならない範囲であるなら、できるだけ運動をした方がいいでしょう。
カロリーの摂りすぎは、免疫力を低下させる方向に働くともいわれています。
例えば動物実験でよく運動させたネズミと、まったく運動させないネズミを比較すると、よく運動させたネズミの方が再発率は低いのです。また、エサを思いっきり食べさせたネズミと、腹八分目に食べさせたネズミとでは、腹八分目のネズミの再発率が低いとわかりました。
九州大学の研究では、太っている人の乳ガンの再発率はスリムな人の3〜4倍も高くなることが分かっています。あまり神経質にならなくていいのですが、食事量、運動、体重にも心を傾けておいた方がいいのです。
ガンの予防になるこれらの食事療法は、再発の予防のためにも、よいと考えられています。また、緑黄色野菜をたくさん食べること、玄米、胚芽米などの無精白米の穀類、大豆製品、海草などの線維の多い食品、ヨーグルトなどを毎日摂取することが大切です。加えて、ビタミンA、C、Eについても、適量摂取することも良いでしょう。
ガンを予防する生活法については、国立ガンセンターの12箇条などを参考にしてください。精神面では、不安やストレスが免疫力を弱めることがわかっていますので、できるだけストレスを軽くし、不安を上手に乗り越えるコツを覚えて、活用されることがいいでしょう。
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