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●カリフォルニアオレンジと「要素還元主義」
「要素還元主義」という言葉があります。

なんだか難しそうな言葉ですが、簡単に言うとこういう事のようだ。

 例えば、カリフォルニアではとってもおいしいオレンジが採れ、それを食べている地元の人達は肌がきれいでいつも元気だ。という現象があったとする。

 すると、そのオレンジを科学的に分析し、結果、オレンジにはビタミンCという物質が入っていることが分かり、科学的にビタミンCの構造も分かった。

 そこで、そのビタミンCを化学的に合成し錠剤にした。その錠剤を飲めば、カリフォルニアのオレンジと同じ効果(肌がきれいになり、元気になる)がある。というのが要素還元という考え方です。

だが、一見合ってそうなこの考え方には実は落とし穴がある。

確かに、オレンジにはビタミンCが入っている。しかしそれは、ある人間が考え出した機械が検出したものであり、それ以上のものは検出されないわけである。

だからビタミンCというのは中身の一部なだけで、オレンジそのものではない。

まあ、考えてみれば当たり前の話ではあるけれど、数値や、色んな情報で、科学者などがTVで「ビタミンCが肌をきれいにする」と言うと、それが全てだと錯覚してしまう場合が多い。

実際にはカリフォルニアの自然・気候・風土などなど、他のたくさんの要素があり、食べる人達の社会生活や性格などなど、が重なった上で、彼らが食して肌がきれいなのであって、単なる一要素を取り出して化学合成したビタミンCとカリフォルニアオレンジとは違うということだ。

ではこの考え方には何が足りないのか?

この考え方には「物事をまるごと見る」という考え方が抜けている。


他の例で言うと、例えば現代の医療が挙げられる。

最近は問診をしない医者が増えているという。
昔小学校や中学校に来たお医者さんは必ず、聴診器を着け、胸のところを指で「トン、トン」と叩き、「舌を出してごらん」と言って、先ずは体の不調を音や色で判断していた。

検査技術の発達とともに、医者はこういう自分でやる判断を全て機械に任せるようになってしまった。その結果、病気だけを見て、人間そのものを見ることを忘れてしまっている。

これは「要素還元主義」そのものだ。

病気の背景にあるもの、家族関係だったり、仕事上の人間関係だったり、等々、色んな原因が絡み合って「病気」というものは作られたハズであるのに、それを全く見ずに、ある一部分だけを見て、そこだけを治そうとしている。


この医療の考え方には、「人間をまるごと見る」という考え方が抜けているように思えてならない。


「要素還元主義」のというのは、誰でも陥りやすい手強い敵だ。
 
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